「訴えたいことが無いんです!」

tt32quattro2005-11-16

「メッセージの無い演説家でございます!」
とはかの鳥肌実大先生の名文句であるが。


マーケターのはしくれとして、最近の世の中に
根本的な矛盾を感じてしょうがないのである。


マスメディアの一部がデジタル化したり、
ネットの世界でもblogやSNSが新しいマーケ
ティングツールとして注目されたりしていて。


商品/サービスの提供者と消費者の間のコミュ
ニケーションチャネルは確かに増加していて、
コミュニケーションのあり方も多様になって
いるのだろうね、実際。


もっと印象的な表現で、もっとたくさんの情報
を伝えることができるようになって、いやぁ
よかったよかった?


ま た ん か い ゴ ラ 。


最近の商品/サービスってどんどん伝えるべき
情報や物語や企業の思い入れが減ってません?


デジタル家電は春と秋の年に2回も新商品の発表
ラッシュがあるから、ほとんどの場合は新商品
って言っても微妙なスペックアップ。


クルマの商品サイクルは今でも4年前後を保って
はいるものの、もはや成熟商品なのでデザインの
刷新以外はやっぱり微妙なスペックアップのみ。


ハイブリッド技術や安全デバイスの進化はまだ
これからも大きな飛躍が望めるが、その進化の
本質を消費者にきっちり伝えるのは内容が高度
過ぎて困難だったりして。


膨大な情報を伝達できるようになったのに、
「6メガピクセルが8メガピクセルになりました」
しか言うことが無かったり、
「今度のハイブリッドは制御ユニットの精度が」
なんて言われても嬉しくなかったり。


双方向のコミュニケーションが可能になって、
メーカーと消費者が一つの商品を一緒に長い目で
育てて行くことができるようになったのに、
「いや、秋にはもう違うモデルになりますんで」
っていうのも寂しい話だしねぇ。


せっかく手に入れた豊富なコミュニケーション
チャネルと手法は何に使えばいいんでしょうか?


やれやれ・・・